Собака и Кошка |
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大阪へ行ったのは、Tに逢うつもりでというわけではなかった。 人々の思惑や駆け引きや面倒事の押し付け合いという、よくある現象にまきこまれたが為だ。 Tとは顔を合わせたことがない。 いや東京ですれ違うこともあるけれど、実態のみえぬ不気味な輩で どうも近くにいるという実感がないものだった。 大阪へ行くと決まった時、まっさきに浮かんだのはTに逢いにいこうということだった。 あそこならば、きっとTに逢える。逢ったと思えるだろう。 一仕事終え、大阪の喧騒に立った私は、 重いパソコンを駅の古びたコインロッカーに放り込み、Tのいる場所に向かっていった。 電車を降りる前から、Tの姿が目にはいった。 こんなにも存在感のあるやつだったかと 今更ながら驚いた。 Tはしかし誰のことも待ってはいない。 ただそこにいるだけだ。 駅の窓に映るT。どこを観ているかすらわからない。 孤独を愛すTは、木の陰にでも隠れているつもりなのか。 やあ、T。 門をくぐる前からそんな言葉をつぶやく。 聞こえているはずもないのに、なぜか応えてくれる気持ちになる。 すこしこっちを見てくれた気分にすらなる。 我々には通じない言葉を、何らかの電磁波でもって発してくれた気にもなる。 後ろ姿を見せることを拒まないT。 Tには隙がない。だから後ろにまわることはTにとっては嫌悪を抱く様なことではないのだろう。 やっと逢えたね、T。 次はいつになるかわからないが、またいつか。 コーシュカ
by pastsarami
| 2010-03-18 11:38
| на днях
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