Собака и Кошка


パストサラミと目玉焼き2
by pastsarami

ATG 行くしかないだろ祭り その9

これもコーシュカさんが担当とのこと。(喜重だから。)

『煉獄エロイカ』
監督・脚本: 吉田喜重
脚本: 山田正弘
撮影: 長谷川元吉
美術: 山本修
音楽: 一柳慧


喜重映画のなかでも群を抜いての難解ホークスだと思われるけど
喜重映画のなかでも群を抜いての映像美なの。
もうね、どのシーンを選んでもハッとしてしまうくらい綺麗なポストカードができる。
内容云々の前に、映像だけで屈服させられる映画。
でも喜重映画に内容が無視されるものは無いわけであって。


最初の感想に戻ると、これ本当に難解。
時間も過去現在未来、突然に入れ替わるし
台詞だけたどっても、全然会話にもならなくて意味不明の錯綜した世界。
そして一柳さんの音楽でもって、さらに頭の中の秩序が次々崩れていくし。

そんな困惑のなかで、茉莉子がやっている役の女の人だけが
ふうらりと漂っているのね。時には会話に参加したりするんだけど
無視されてるのかしてるのか、すぐにふっと一歩遠ざかって。

帰ってから茉莉子の本を読んだら、内容が随分わかりやすくなった。
過去現在未来に起きる、なんらかの「運動」が
いつしか本来の理想や目的をよそに、内部で崩壊してしまう、
そういう運命を悲しく冷静に見つめる作品。
ここでは茉莉子の役がその「見つめる」を託されてるわけだけど。


時代のヒーロー(英雄=エロイカ)として動いていた人たちが限界にぶつかって
宙ぶらりん(煉獄状態)に…
そういえば『エロス+虐殺』も、大杉栄の自由恋愛論に行き詰って
その相手だった人に刺されてしまうって意味では同じなのね。
なんか兄弟みたいな映画なんだなぁ。


今この映画を観ると、もう私たちはあの70年代の学生運動の行く末を知っているから
更に理解が早まるけど
この映画ができあがった当時は、まだ学生運動がピークを迎えたころで
そのとき既に「その後」を示したっていうのがすげーなーと。


キェシロフスキの『デカローグ』ってテレビシリーズ(クオリティ的にはほぼ映画)には、
各話に何も言わず登場人物たちの行く末を見守る人が出て来て、
DVDの解説パンフでは「天使」って書かれてるんだけど
喜重もそんな存在のような気がしてきた。
怒りや疑問を冷静にとじこめて、悲しい視線を送りつづけてるし
なんか映画監督がばったばった亡くなってる中で、意外と長生きしてるし…。
でももっと長生きして欲しいな。

                                コーシュカ
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by pastsarami | 2014-05-17 21:20 | драма
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