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Собака и Кошка


パストサラミと目玉焼き2
by pastsarami
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Le Pitre châtié -道化懲戒-

未だマラルメである。はは、まだだぞ!

この章では、鈴木信太郎さんと辰野隆さんがマラルメの 『Le Pitre châtié』 -道化懲戒-
の解釈について論議を交わしている。

このふたりは、手紙で論議を交わしていたようなのであるが
「文芸評論」に掲載されたみたいである。

両者共に造詣も深いし、頭もいいし、更には仲がいいので、読んでいて大変興味深い。
しかも、この詩は当初書かれたものと後に書き直されたものとの2つが残っていて
さてそれは同一の意味なのか、同じだ、いや違う云々といった論議がなされている。

ふたりで論議を交わしていって、その道の先に新しい解釈にタドリつく。
この最終解釈にもはっとしたけど、鈴木さん辰野さんの締め方にも感服。
んーエクセレント!

当初ね、鈴木さんの“道化懲戒”っていう訳がピンとこなかった。

「『懲戒された道化』だから、『道化懲戒』とやってもいいだらう。」

って書いてるんだけど、別に懲戒された道化でいいんじゃないか って。
日本語だと余計なのかもしれないけど、恋によって懲戒されたんだから
されたっていう形容は必要な気がしたんだ、さばかとしては。

でも最終的な解釈をきいた後は、やっぱり『道化懲戒』だ!
ってなる。これすごいんだよ。凄ノ王なんだよ。

大体ね、ここまで鈴木さんのマラルメ考読んできてよ、やっぱ鈴木さん寄りになるわけ。
しかもマラルメの女のひととかも話にあげてきてるから、当然鈴木さんの謂うとおり
恋が絡んでくる、おんなが絡んでくるとおもわせての最終解釈だから。
そのあたりも感服。

さらに詩というものにたいしての言葉、霊感の立ち位置。

最後の急展開、相当にボルテージ上がるんだから。
読んで損なし。さばかはね。

Собака
by pastsarami | 2013-06-08 09:11 | книга
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